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その時の私

忘れちゃならんので書き記し

地下鉄に乗車し すぐに駅行員に外に出るように諭される

まるで自分が激しいめまいに襲われて まっすぐ歩けないよう

エスカレーターを上れない 前を行く人からはぐれないように

地下道から出る

いつもの青空

違うのは回りの誰もが怯えている

怖さにはしゃいでいる

私も怖くてもう地下には潜りたくない

地上の電車で帰らなきゃ

娘の帰宅時間が迫っている

急がなきゃ

次の駅を目指す

催しものの巨大テントが片されている

本日中止の張り紙が目に入る

ただただ歩く

歩きながら携帯で両親 娘関係の友達に連絡を取ろうとするが

まったく繋がらない メールさえも

繁華街の駅にはますます人が溢れる

私は電話連絡のことで頭がいっぱい

その間も揺れる 人々の悲鳴も聞こえる

携帯の電源が切れそうだ 赤点滅

公衆電話の列が伸びていく

私も探す 駅直結のホテル そこに並ぶ

親切に空いている電話に誘導してもらい イスまで

出してもらう ここで初めて言葉を交わす

両親に連絡がついた

娘の友達ママにも連絡がついた

預かっていただいた 甘えさせていただいた

これがなかったら 私は どうなっていただろう

じっとしていられない 動いていないと崩れてしまいそうだ

歩く とにかく少しでも家に向けて 歩む

次駅についたとき 

地上電車は走りません こちらのシャッターも まもなく閉めます

駅員さんは私の言った駅名を聞くと

とにかく線路を見失わずに行け と言う

ひと駅 ふた駅めで線路がわからなくなった

たくさんの人がいく方へ 暗くない方へ

携帯の電池も切れ やっとついた携帯ショップも閉店していた

連絡は途絶えた

もう一度公衆電話の列に並び 30分待って電話

自宅は繋がらない 両親へ 自分の居場所を知らせる

タクシーの列へ並ぶ

後ろの女の子が親御さんと「音楽でも聴いてなきゃ 可笑しくなっちゃうの!!

だから 電話のベルに気付かなかったのぉ!!」と言ってる

その後も彼女は鼻唄を歌っていた

電話もタクシーも一度並んだら出られない

あっと言う間に列が伸びていくから 外れられない

何時間並んだだろう ボランティアの方が温かいお茶を配ってくれた

ありがたかった お水は持っていたけれど 寒さで指先も鼻先もカチンカチンだったから

頂いたお茶で鼻先と指先を溶かす

タクシー争奪戦とか ぼ~っと見てた

ただ並んでいればいつか乗れると思っていた

7時くらいから並んでタクシー乗車が夜中の2時だった

個人タクシーの運転手さんは これまた優しく 携帯の電源がなくて

情報がまったく入らず困ってしまって・・・と話したら

充電させてくれ ラジオも流してくれ 地下鉄が動いている事を

そこで初めて知り 最寄の地下鉄駅で降ろしてもらった

「俺も もう帰りたいから ぜんぜんこの辺で降りてもらっていいよ~」

ありがたかった

地下鉄は混雑も済んでいて 日中に乗った地下鉄となんら変ることなく

最寄駅まで私を運んでくれた

日が登り 明日が始まる中 早足になる

履きなれていたはずのブーツでも足が痛い

やっとたどり着いた我が家は 出掛けていて正解だったと思えるほどの

有様だった

何もかもが 床に落ちていた

スキマが無いほどに

奮い立たせる 主人も帰れず 姫にも心細い思いをさせた

自分を責めていた ずっと 

姫にあったら泣いてしまいそうだったから

それはしちゃイカンと思って

お日様に向かう

仕事も休ませていただき 姫様を迎えに行った

液状化した道 それでもこの町は 自分が昨日経験した事は

無かったかのように普通だった

パンにミネラルウォーター、トイレットロールや乾電池が売り切れて

しまった以外は。

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